動物病院 東村山市 所沢市 東大和市 癌 腫瘍

Introduction of treatment examples at our hospital

当院での治療例のご紹介

(1)会陰ヘルニア

お尻周りの筋肉が緩んでしまい、直腸や膀胱、おなかの中の脂肪などが肛門の脇から皮膚の下に出てきてしまう病気です。去勢手術をしていない男の子に多い病気で、ホルモンの影響で筋肉が弱ってしまうことが原因です。
最悪の場合にはうんちやおしっこが出なくなってしまいます。

  • 会陰ヘルニア1

    手術前

  • 会陰ヘルニア2

    手術前

  • 会陰ヘルニア3

    手術後

  • 会陰ヘルニア4

    手術後

1年ほど前に他院にて会陰ヘルニアの診断を受けてそのままになっていたわんちゃんです。うんちとおしっこが出づらいという症状がありました。

(2)猫の口内炎

猫の口内炎は細菌やウイルス、免疫反応の異常などによって起こる病気で、ひどい場合には痛くてご飯を食べることができなくなってしまいます。歯石を除去したり、抗生剤やステロイド、サプリメントなどいろいろな方法が試されていますが、内科的な方法では完治するのは難しい病気です。
抜歯をすることで約60%が完治、約20%で著しい改善が認められたという報告があります。

  • 猫の口内炎

    全額抜歯2年後

(3)腸閉塞

誤食による異物や腫瘍などで腸が閉塞してしまい、食べた物や水などを消化できず。吐いてしまいます。手術が必要になります。

  • 腸閉塞1

    閉塞部位

  • 腸閉塞2

    閉塞していた異物

  • 腸閉塞3

    異物による腸閉塞

フェレットの腸閉塞

食欲がなく、吐いているという症状でした。
レントゲン検査、超音波検査を行ったところ、異物による腸閉塞が疑われました。

(4)結腸・直腸の炎症性ポリープ

炎症性ポリープはM,ダックスフンドに多く発生する病気で、炎症性のポリープが結腸や直腸に多発性に発生し、血便や下痢、しぶり、肛門からのポリープの脱出などがみられます。ステロイドや免疫抑制剤に反応することから免疫反応の異常が原因と考えられていますが、まだ、はっきりとした原因はわかっていません。
お薬で抑えきれない場合や、お薬の量が多くなってしまう場合には手術という選択肢もあります。具体的には、炎症を起こしている結腸・直腸の粘膜を摘出してしまう方法です。

  • 結腸・直腸の炎症性ポリープ1

    腸の粘膜を肛門から
    引っ張り出します

  • 結腸・直腸の炎症性ポリープ2

    引っ張り出した粘膜
    を切除した後です

  • 結腸・直腸の炎症性ポリープ3

    摘出した粘膜です。
    表面にボツボツしているのが
    小さなポリープで
    多発しているのがわかります。

症状が出始めたころはしぶりや血便がひどく、食欲も落ちていました。ステロイドと免疫抑制剤による内科治療によって症状は改善しましたが、完全には良くならず、お薬を減らすと症状が出てしまうような状態でした。手術後1か月ほどは手術の影響でしぶりやうんちが出づらいなどの症状が残りますが、その後はお薬も必要なく、食欲旺盛で、快便です。

(5)子宮・卵巣疾患

避妊手術をしていないわんちゃんは年を取ると子宮蓄膿症といって子宮に細菌が入り込み、子宮の中が膿だらけになってしまう病気になることが多いです。この病気は放っておくと命にかかわるので、早急に手術をする必要があります。注射のお薬で一時的に治すことはできますが、再発率も高いので、一番の治療法は手術で子宮と卵巣を摘出することです。避妊手術をしていないメスのわんちゃんで年をとっていて体調が悪く、お水の飲む量が異常に多い場合は子宮の病気の可能性もあるので、一刻も早く受診することをおすすめします。
また、避妊手術をしていないわんちゃんは卵巣の病気にもなります。子宮ほど発生率は高くないですが、卵巣がんも命にかかわる病気です。ただし、転移を起こしていなければ手術で完治する可能性が十分あるがんなので、早期発見早期治療で完治が見込めるがんの一つです。

  • 子宮・卵巣疾患1

    子宮に膿が溜まって
    腫れてしまった子宮

  • 子宮・卵巣疾患2

    卵胞嚢腫と子宮体部の
    平滑筋腫

(6)膀胱・尿道結石

膀胱結石は名前の通り、膀胱内に石ができてしまう病気です。膀胱内の石が尿道に入り込み、石が詰まっておしっこが出なくなってしまうこともあります。膀胱結石は、体質や食事・細菌感染・肝臓病などによって起こります。小さいうちはおしっこと一緒に出てくることもあり、また、結石のタイプによっては食事療法で溶かすこともできます。ただし、大きくなったり、平等に入り込んでしまう場合には、手術が必要になります。

  • 膀胱・尿道結石1

    膀胱結石(黄色矢印
    尿道結石(赤矢印

  • 膀胱・尿道結石2

    摘出した膀胱結石

このわんちゃんは頻尿が主な症状でしたが、よく見ると尿を少ししかしないのですが、排尿した後も膀胱に尿が溜まっていました。おかしいと思いレントゲンを撮ると尿道に結石が入り込んでいました。すぐに対処しなければいけない状態だったので、尿道カテーテルという管を尿道から膀胱に挿入し、手術を行いました。

(7)うさぎの臼歯過長

うさぎの歯は人間や犬と違い一生伸び続けます。ご飯を食べるときに歯を摩耗することで歯が伸びすぎないようにしています。しかし、不正咬合といって歯の咬み合わせが悪くなると歯がうまく削れなくなり、場合によっては歯が尖ってしまい、頬や舌を傷つけることによって食欲が落ちてしまいます。その場合には、歯を削って痛くないようにしてあげる必要があります。

  • うさぎの臼歯過長1

    下顎の歯が尖っています

  • うさぎの臼歯過長2

    舌を傷つけて
    食欲が落ちていました

下顎の歯が尖って舌を傷つけていました。このうさぎさんは奥歯を見せるのをかなり嫌がったので麻酔下で尖った歯を削りました。おとなしいうさぎさんの場合には麻酔をかけずに歯を削れる場合もあります。臼歯(奥歯)だけでなく、切歯(前歯)が伸びすぎてしまううさぎさんもいます。その場合には、麻酔は必要ありません。このうさぎさんは全く食欲がなかったのですが、歯を削った次の日から食欲が出始めました。